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医療事故だけではないリスク~保険事故と弁護士費用のお話~

2017.06.01

 先日、会員の先生から、業務でいろいろなトラブルが生じたときの弁護士費用を補償する保険がないかとの質問を受けました。現在、販売している損害保険には、ひとつの契約でこうした要望に応えられる商品は、残念ながら見当たりません。 損害保険は全ての事故や損失をカバーすることはできませんが、保険会社は、世の中で発生するさまざまな事故に対して、新商品を開発し、時代に応じて保険の内容を進化させています。

 自動車保険は昭和になってマイカーとともに飛躍的に普及した保険です。相手側への賠償責任をこの保険でカバーするだけではなく、訴訟になった場合や通常の示談交渉が難しいときには弁護士に依頼し、その弁護士費用も自動車保険で支払いできます。 自動車保険や医師賠償責任保険をはじめとする損害賠償責任保険は、事故が発生し、被保険者が加害者となった場合に加害者の賠償責任部分を負担し、訴訟や調停が起きれば解決までの弁護士費用などの争訟費用も支払います。

 北海道医師会が会員の先生に提供している保険には、自動車事故、医療事故の他には、労災リスクに対応する「医業経営ガード」、医療法人の役員が社員代表訴訟に巻き込まれたり、取引先業者から提訴された場合の「役員賠償責任保険」があります。 また、7月1日からは、医師賠償責任保険に新しくオプションを追加しました。その中のひとつに雇用慣行賠償責任保険があります。この保険は、医療機関側に不当解雇やセクシャルハラスメントに起因する損害賠償責任が認められた場合、訴訟費用(弁護士費用など)も含めて保険金を支払うものです。同様な原因で仮に法人である医療機関が訴えられず、例えば、その法人で人事関係を担当する理事個人が訴えられた場合には、役員賠償責任保険がこうしたリスクに対応します。

 以上の保険は、自動車保険等の説明と同様に被保険者が加害者となった場合を想定し、加害者としての法律上の賠償責任を補償するものです。最近では、被保険者が被害者となった場合でも、事故により被った損害を加害者に請求するため、相手との交渉を行う弁護士費用を支払う特約が出てきました。この特約は、自動車保険に付帯する特約で例えば、追突されたり、赤信号を侵入してきた相手側の車両が接触してきたような、通常では被保険者には全く責任のない事故の場合に、弁護士に委任して相手に対して損害を請求するための費用を支払うことができます。 昨年、北海道医師会で販売した「弁護のちから」も実は、このような特約がベースとなった保険で、日常生活で被害に遭った場合の他、借地借家、離婚調停、遺産分割調停、人格権侵害などの法的トラブル発生時に弁護士費用などを支払う保険です。

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