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医療事故だけではないリスク ~患者とのトラブル対応の話~

2018.04.01

 1ゕ月ほど前に九州のある病院で整形外科の医師が患者に包丁で刺されるという事件が発生しました。報道によるとその患者は、後遺症の診断書を書いてくれないことに腹を立てて犯行に及んだようです。

 医療機関あるいは医療従事者と患者とのトラブルの原因にはさまざまな事情が考えられます。医療行為の結果などに対するクレームは、患者に身体障害が発生していれば医師賠償責任保険(医師特約)が適用されるのはご承知のとおりです。医療行為以外でのクレーム、例えば、訪問者が院内の段差につまずいて転んでケガをした、施設の外壁がはがれて駐車中の患者の車両が損傷したなどの場合も医師賠償責任保険(医療施設特約)が適用され、相手との交渉を弁護士に委任することが可能です。

 次に、上記の九州で起きた事件をもとに想定される事例を検討してみます。

 例えば、ある患者が以前から医師に対して、医学的に根拠のない診断書を書くよう脅迫まがいの言動を取り、院内で大声を出す、居座るなどして、業務を妨害したと仮定します。医療機関としては、このような度を越えた要求をしたり、行為に及んだりした相手に対応するには、顧問弁護士がいれば、後のことは弁護士に委任し、場合によっては警察に相談する事態も考えられます。

 しかしながら、こうした事態が発生しても、医師賠償責任保険を適用することはできませんので、北海道医師会では、新保険の導入を準備しています。この保険では、医療機関が上記のようなクレームを受けた場合に相談する窓口機関を設けてアドバイスを行います。それでも解決が困難な場合には、相手との交渉を弁護士に委任する場合の費用を負担できるようにします。新保険の導入は7月の医師賠償責任保険等の更新時期となる予定です。

 この保険とは別に、万一、医療従事者がケガをした(業務災害や通勤災害の)場合に政府労災の認定を待たずに補償する保険として「医業経営ガード」を販売しています。この保険には、労災事故が発生し、医療機関が使用者として損害賠償金を負担する事態にも対応する特約も付帯されています。

 

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