医療事故だけではないリスク ~地震保険のお話(Ⅱ)
2018.10.01
先月6日に発生した北海道胆振東部地震では、地震による人的物的被害に加えて、全道がブラックアウトに陥る事態となりました。このコラムで地震をテーマにするのは、平成28年6月1日号に続いて2度目になります。その2ヵ月ほど前の4月14日に熊本地震(震度7)が発生しました。熊本県は地元では地震が起きない地域と考えられていましたが、その当時、熊本県の地震保険の付帯率は全国平均程度でした。
一方、北海道では過去に十勝沖地震や、奥尻島が津波と火災に襲われた北海道南西沖地震、北海道東方沖地震などが発生していましたが、北海道の地震保険の付帯率が熊本県よりも低いことを紹介し、「このところの経験則では、日本ではどこでいつ地震が発生しても不思議ではないと言えます。地震保険料は決して安い金額ではありませんし、被害額全額を補償できるとは言えませんが、再建のための礎にはなります。」と記載しました。
熊本地震が発生した平成28年の前後2年間の①地震保険の付帯率(住宅の火災保険に地震保険が付帯されている割合)と②地震保険の世帯加入率(地震保険の契約件数を世帯数で除した数値)について北海道と熊本県のデータの推移は表のとおりです。熊本県では、地震の前後で地震保険の付帯率、世帯加入率ともに大幅に増加しています。データには各種共済を含んでいないため、実際の地震への備えはやや高いと考えられます。
地震保険では、火災保険の保険金額の50%を限度とし、最大で建物の保険金額を5000万円、家財を1000万円まで付保することができます。損害が発生した場合に支払う保険金は、全損の場合で保険金額の100%、大半損の場合60%、小半損の場合30%、一部損の場合5%となります。 記載したとおり、地震保険だけで損害を十分にカバーすることはできないですが、損失を最小限におさえることは可能です。
①地震保険 付帯率(%) | |||
平成27年度 | 平成29年度 | 増加ポイント | |
北海道 | 51.0 | 53.3 | 2.3 |
熊 本 | 63.8 | 77.5 | 13.7 |
全国平均 | 60.2 | 63.0 | 2.8 |
②地震保険 世帯加入率(%) | |||
平成27年度 | 平成29年度 | 増加ポイント | |
北海道 | 22.8 | 24.0 | 1.2 |
熊 本 | 29.8 | 38.5 | 8.7 |
全国平均 | 29.5 | 31.2 | 1.7 |
【出 典】損害保険料率算出機構「地震保険 都道府県別付帯率の推移」および「地震保険 都道府県別世帯加入率の推移」のデータを参照しました。
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